メモリが不足?メモリ増設の効果や増設後のトラブル対応方法

パソコン
キーボードをタイピング

パソコンなどのデジタル端末の性能は、いくつかの要素が組み合わさって決まります。その中でも、パソコンの頭脳にあたるCPUの性能や、データ保存容量を左右するHDDやSSDなどのストレージは非常に重要です。

そしてメモリも、パソコンの性能に関わる重要な要素です。行いたい作業によっては、メモリ不足が原因でスムーズに動作しないなど、さまざまなトラブルが考えられます。

今回は、メモリが不足するとどうなるのか、またメモリ増設後の効果やトラブル対応方法についてご紹介します。

そもそもメモリとは?

そもそもパソコンなどのデジタル端末のメモリは、どんな役割を持っているのでしょうか。

簡単にいえば、データを一時的に記憶する場所が「メモリ」です。データの記憶といえば、HDDやSSDをイメージされる方がいらっしゃるかもしれませんが、メモリとHDDやSSDとでは、記憶するデータの性質や使われ方がまったく異なります。

メモリでは、パソコンを起動したりアプリケーションを立ち上げたり、動作する作業に必要なデータを扱います。言い換えれば、メモリとは作業中の道具を置いているデスクのようなものです。デスクが狭いと少しの道具しか使えず、広ければ快適にさまざまな作業が行えるのと同じように、メモリは多ければ多いほど、パソコンのパフォーマンスが上がります。

当然、行う作業により必要なメモリの容量は異なりますが、複数の処理を同時に行う場合、大きなメモリ容量が求められます。用途によっては、CPUのクロック周波数や、HDDやSSDの容量よりも、メモリの容量が重要といえます。

メモリが不足するとどうなる?

ではメモリが不足するとどうなってしまうのでしょうか。ここではメモリの不足により生じる問題についてご紹介します。

処理速度の低下

メモリの不足で生じる問題として代表的なものは、処理速度の低下です。

パソコンの動作が遅かったり、アプリケーションの起動に時間がかかったりしている場合、メモリの不足が原因となっている可能性があります。

ソフトが起動できない・動作が不安定

メモリが不足すると、ビデオ編集ソフトや音楽編集ソフトなど、大きなメモリ容量が必要なソフトの起動ができなくなってしまいます。

また、複数のソフトやアプリケーションを開く場合も、メモリを多く消費するため動作が不安定となり、最悪の場合はパソコンが停止してしまうことも考えられます。Excelなどの一般的な表計算ソフトでも、メモリが不足していると、データ量の大きなファイルは開けなくなることがあります。

ディスプレイの不具合

メモリの不足は、ディスプレイの表示に影響を与えることがあります。一部が正常に表示されなかったり、表示が遅れたりすることも少なくありません。特に、一般的なパソコンは「内蔵グラフィックス」という機能が使われているため、画面表示への影響を受けやすくなります。この機能は、メモリの一部が画面表示を担当することから、容量が十分でなければ、ディスプレイに正常に表示されなくなってしまうのです。

フリーズする

極端にメモリの容量が不足している場合、操作をしてもまったく反応しなくなることがあります。いわゆるフリーズという状態です。場合によっては、ブルースクリーンが表示されてしまうこともあります。

作業中に突然フリーズが起こると、作業中のデータを失ってしまうばかりか、パソコンの故障の原因になるケースもあるため十分に注意しましょう。

以上のように、メモリが不足するとさまざまな弊害が起こります。これらの症状が見られた場合、メモリの増設などの対策が必要です。

パソコンのメモリを交換する
パソコンのめ

メモリの増設は可能?メモリ増設の効果とは?

メモリが不足している場合は、メモリを多く消費する作業をやめたり、アプリケーションの使用を中止したりする必要があります。

なおメモリの不足は、メモリを増設することで解消することが可能です。

メモリの増設が可能かどうかはパソコンによる

パソコンの種類によっても異なりますが、一般的なデスクトップパソコンや、ノートパソコンの多くはメモリの増設が可能です。

一方で、スマートフォンやタブレット、一部の小型パソコン・モバイルパソコンなどではメモリの増設ができないケースがあります。なお、メモリの脱着ができない「オンボード」と呼ばれる形で取り付けられている場合、基本的には交換することができません。近年では、比較的安価なパソコンでこの仕様が採用されているケースが多いため注意しましょう。

それ以外のパソコンでは、基本的にメモリの増設は可能です。ただし、無限に増やせるわけではありません。パソコンの機種やOSによって、最大メモリサイズは決まっています。

最近のパソコンは大容量の対応が可能ですが、一昔前のパソコンでは最大容量が4~8GBまでとなっているケースが少なくありません。

また、パソコンによってメモリをセットできるスロットの数も、そして空きスロットの有無も異なります。例えば現在2GBのメモリが1枚セットされていて、空きスロットが1つある場合、2GBのメモリを追加することによって合計4GBに増設できます。しかし、スロットの数が1つしかなく、すでに2GBのメモリが挿入されている場合、4GBに増設するためには、4GBのメモリを購入して交換する必要があります。

メモリの種類はもちろんですが、スロットの数や空きスロットについても事前に確認しておきましょう。

メモリを増設する効果

メモリを増設することにより、最初に体感できるのは処理速度の速さでしょう。メモリが増えると、さまざまな処理の効率が向上するため、パソコンの動作が速くなります。また、複数のアプリケーションを同時に開いても快適に動作するようになるため、作業効率が向上するでしょう。

メモリが不足している状態から増設をすると、はっきりと体感できるくらいの変化があります。処理能力や使い勝手に不満を抱き、パソコンの買い換えを検討している方は、メモリの増設を検討してみるのはいかがでしょうか。

メモリ認識トラブルで悩む女性

メモリの増設後にパソコンが起動しない場合の対応方法

メモリを増設し、動作を確認しようとしても、パソコンが起動しないといったトラブルが起こることがあります。

このような事態が起きたときは、まずはメモリが正しく装着されているのか確認しましょう。しっかりと装着したつもりでも、スロットの溝に汚れなどが付着していると、正しく認識されないことがあります。一度メモリを取り外し、確認した上で再度装着してみることをおすすめします。

また、メモリとパソコンの相性が悪い場合も、正常に認識されないことがあります。対応しているメモリであっても、すべてのパソコンで必ず動作するとは限りません。メモリを購入する際は、お使いのパソコンで動作確認がされているメモリを選ぶようにしましょう。

おわりに

今回は、メモリの不足によるトラブルや、メモリの増設後の効果やトラブル対応についてご紹介しました。

メモリの容量は、パソコンの処理能力や使い勝手を決める、重要な要素の1つです。お使いのパソコンで、メモリ不足の症状が見られた場合は、メモリの増設を視野に入れてみるのはいかがでしょうか。